現在、見世事務所では1〜3件の就業規則を並行して作成している状況が続いています。そういったなかで、これでいいのかなと感じることが増えてきました。「リスク回避」や「会社を守る」ことを主眼とした書籍等を参考に、基本的には、経営者のための就業規則作ってきたのが、実際のところです。働き方改革が進展していく中、日本人の働くということに対する意識が大きく変わろうとしています。団塊の世代が高齢化し、生産年齢人口が減少する中、人材確保が企業にとって重大な課題となっています。このような時代ですから、当然就業規則の中身も大きく変わらなくてはなりません。
私がこれまで作成してきた就業規則は「〜しなければならない」「〜してはならない」といった表現の連続です。「規則」だからしょうがないことかもしれませんが、「〜しろ」とか「〜するな」とかばかり言われていては、嫌になってしまうのが、人間の心理ではないでしょうか。これでは、読みたくはならないですよね。そこで、新しい試みとしてできるだけ「〜しなければならない」「〜してはならない」という表現を排除して、ポジティブ表現を基本とした就業規則を作ってみようと考えました。
「うまくいく会社は、社長と社員が同じビジョンをもっている」といった話を聞いたことがあります。今、世の中に出ている就業規則の解説書は社長の思いを社員に伝えるという視点が欠けているように思います。労使協調が企業経営を成功に導く重要なポイントなのは確かです。社長の思いを伝え、それに社員が協働してもらえるような就業規則を作ることができれば、それが一番ではないでしょうか?
それは、社是とか社訓とかじゃないのと言われるかもしれません。確かにその通りなのですが、就業規則にもそういった要素を取り込んで、読めば前向きな気持ちになれる、そんな就業規則を作りたいと考えています。
☆2019.12からこのサイトで公開していた「読みたくなる就業規則」ですが、2020.12.21よりアマゾンで発売されます。(ファストブック(ラーニングス株式会社)より)
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